導入事例のご紹介


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大阪に本社をおく食用油脂などの大手食品素材加工会社。国内および海外(米国、アジア、欧州)に拠点を有し、連結従業員は約 6,000 名

現在は常勤監査役としてご活躍でいらっしゃいますが、当時、執行役員 法務部長として外部通報窓口をご検討・ご導入になった経緯について、お聞かせいただけますか?


まず、内部通報制度、内部通報規定に基づく内部通報制度というのが元々弊社にはありました。
私が入社する前の話なんで、正確にはあれなんですけれど、だいたいコンプライアンス関係や内部通報制度を整備して一つの形にしたのが、確か 2003 年と聞いています。

それから約 10 年経過しまして、内部通報制度自体は会社の中で定着をしてまいりました。その間、非常にグローバル展開ということで海外への展開が急激に進んでいったという時期がありまして、ちょうど私が入社したのが 2010 年なんですけれども、私が入社した時点で見回しますと、日本国内の日本の不二製油には内部通報制度が整備されていたんですけれども、いわゆるその海外のグループ会社の声を吸い上げていこうというシステムが無かったのですね。

もちろん海外は海外独自にスタンドアローンでこういう制度を持っている会社もありましたけれども、日本本社が一元的にですね、海外各社の従業員の声を吸い上げる、いわゆるこのヘルプラインと言うシステムがなかったということがございました。

やはりそこは、日本だけやるのは不十分だという話になりまして、これだけグローバル展開していて、中期経営計画にもですね、グローバルに展開していくんだと言っておきながら、こういうところが整備を並行して進めていかないと、やっぱり会社としては不十分だよねという議論が社内でありましてですね、それではやっぱり、自前でというのはとても無理だと思いましたので、外部ヘルプラインをぜひ使った方が良いんじゃないかと言うことで、御社のDQヘルプラインを導入させていただいたといういきさつでございます。

ありがとうございます。数ある第三者通報窓口サービスの中から、DQヘルプラインをお選びいただいた決め手というか、何かありましたらお聞かせいただけますか。


実は、いくつかヘルプライン、何社くらいですかね、ちょっと今詳しく覚えていないんですが、数社横並びに致しましてテーブルを作りまして評価をしました。
もちろん、コストの面もありますし、内容、パフォーマンスの面もあります。
最終的にはですね、いくつか理由はあったんですけども、まず一つは、よく存じ上げていた御社であったということが一つですね。信頼があったと。ACFE さんとの関係とかということもありまして、まずそれが第一ですね。

それとやっぱりコストパフォーマンスが非常に優れていたという点があります。
それと、なにぶんにも外部に委託するということは一時的にその通報を受理していただくところのスキルというのが非常に重要になってくると思いますので、そういうところに各国、公認不正検査士をはじめとして、こういう通報があったときに適正に捌けるといいますか、対応して頂ける方がいらっしゃるという信頼性、ここが一番大きいです。

御社への信頼感ということと、全体的なコストパフォーマンスということ、あとやっぱりそのヘルプラインの対応していただける方のスキルへの信頼、この 3 点です。


澁谷様は、ご自身も公認不正検査士でいらっしゃるとお聞きしております。それも踏まえて総合的にご評価いただいたようで、ありがとうございます。 御社ではグローバルに展開していらっしゃいますが、内部通報の運用に関しまして気を付けていらっしゃることなどありましたらお聞かせいただけますか。


これは海外に限らず国内の既存の内部通報においてもまったく同じことが言えると思うんですけども、言わずもがななことですけれども、やっぱり通報者の保護ということですね。
プライバシーも含めて、匿名ですね。外部の場合には今、弊社の場合には所属と名前を入れてくださいと言う立てつけにしておりますけれども、そうであればなおさら、勇気をもって通報してきてくれてるわけですから、そういう方の保護ということが第一に考えなければいけないというのが第一点ですね。
それと、二点目がですね、通報が来た時の迅速な対応。
通報がきて、当然その通報されている内容が事実であるかどうかという調査をまずするわけですけども、結構調査って時間がかかります。めちゃくちゃ時間がかかるんですよ。 もちろん第一報がはいった時には、確かに受けましたという返信をとりあえず出すんですけども、そこから結構時間がかかるんです。 いろんな人にヒアリングをしたりとかですね、その時に注意しなければいけないのが、そこで期間が開きすぎるとですね、通報した人がどうなってるんだろうと不安になってくるわけですよね。ちゃんとやってくれてるんだろうかとかですね、そういう不安にかられることが良くあるみたいですから、結果が出ていないにしても進捗をきちんと通報者にフィードバックするというのが非常に重要なことです。
ヘルプラインの信頼性と言いますか、それを高めていくという意味でも、随時通報者に対しては適宜適切なタイミングでフィードバックする事は非常に大切だと思っておりまして、そしてそれを心がけています。

それと調査が終わった後の対応においては注意が必要です。もちろん調査途上でも注意する事はありますが。これはきちんと重要性とか緊急性に応じて社内の一定のルールがあるんですけどね。いわゆるその委員会、行動規範委員会がありまして、そこに、それが不正であったり不法行為であったりする場合、それは看過できないんで、特に従業員の処分を伴うような、処分をしなければならないような事案の場合には、そういう行動規範委員会というのを立ち上げまして、そこでよくよく議論をした上で、どういう風に処分をするかを各社に答申をしていくわけです。 というのは、グループ内であっても各社の就業規則がありますから、おそらく日本の不二製油の就業規則と海外の例えばシンガポールのある会社の就業規則は違うと思うんですよね。若干濃淡がありましてですね。ですからすべて本社で処分を決めて上からボンとやっていくと各グループ会社の自立性を毀損しますんで、あくまで答申をするという形で、こういう処分がいいんじゃないでしょうか、妥当じゃないでしょうかという答申をするようにしています。

ですから特に重要なものとか、重大な内容と思しきものについては、きちんと委員会組織を使って、いわゆる客観的に複数の人間がきちんと見るような形で現地にフィードバックするということ、これ非常に重要なことかなと思っています。
実はそんな不正とか不法行為が通報されるということは、幸いなことになのか弊社の場合あまりないんですね。

ただ最近多いのが、やっぱりハラスメントですね。いろんなハラスメントがあります。
特に最近はパワーハラスメント。ハラスメントの認定って難しいですよね。結局は上司と部下とのコミュニケーションの問題だったりすることが非常に多いので、そういう時には紋切り調、四角四面に出て行ってしまうとですね、余計問題を複雑化してしまうので、事案によっては大げさにしないというか、よりコミュニケーションを取っていただくために必要な、どちらかというと人事労務的な対応になっていくんですかね。 ですから、そういう意味では、あくまで通報窓口ですけども、忘れてはいけないなと思うのは、良き相談相手となること、これ一番重要な事かなと、そういうことをやることで、あそこの通報窓口の人にだったら相談してもいいかなとかですね、窓口としての信頼性を高めていくためには、重大なものは信賞必罰でやるしかないんですけども、それ以外の多くのものについては、あまり通報だっていうように構えることなく、柔軟に良き相談相手になるということが重要だと思います。

ありがとうございます。今後、私どものDQヘルプラインに期待されることや抱負などがございましたら、お聞かせいただけますか。


期待する事をお話しすることは、まず私どもが現状でしっかり運用しているということが前提で、それでさらにこれをお願いしますという提示をするのが妥当だと思うんですが、まだせっかく導入させていただいているんですけども、うまくまだ十二分に活用できていないという点でまず私どもの反省がありますので。

抱負という意味では、せっかく使わせていただいているシステムをより有効に、きちんと制度として運用していくような努力をしたいなというのが抱負です。

そのうえで、期待と言いますと、こういったものをプラットホームにして、他にもいろいろとニーズがでてくると思いますので、そういったところにもですね、御社もマンパワーの問題とか対応の問題とかですね、いろいろと難しい問題もあろうかと思いますが、今後多分こうしたホットラインというものがもっともっと社会的にもニーズが高まってくると思います。 ですから、あくまでもコンプライアンス関係にとどまらず、そういった人権とか社会の問題を解決するためのヘルプラインというところまでですね、もしかすると広げていただけるようなそういう対応を、今すぐというわけではないのですが、ご検討いただければと思います。

本日はどうもありがとうございました。


インタビュー日付:2017年5月10日
インタビュアー:株式会社ディー・クエスト ヘルプライン事業部 和泉 哲美